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クリスティーヌ・ワレスフカ 

Christine Walevska

 

チェロ/Cello 

アメリカ、ロサンゼルス生まれのチェリスト。

 

 クリスティーヌ・ワレフスカは18歳でデビューした当時から注目を集め、批評家から

「フリッツ・クライスラーのヴァイオリンに匹敵する、説得力のある音楽」と評されていた。

楽器商の父からチェロの手ほどきを受けた後、13歳でピィアテイゴルスキーに師事。

16歳で奨学金を得てフランスへ留学、パリ音楽院でモーリス・マレシャルに師事する。

2年後には、アメリカ人として初のチェロと室内楽で1等を取り卒業する。

 

 卒業後はドイツを中心に演奏会を行い、2年目にはドイツだけで年間45回のコンサートを

行うようになる。その後、ブエノス・アイレスのテアトロ・コロンでは一週間のうちに

ドヴォルザークの協奏曲、ヘンリック・シェリングとの共演でブラームスの二重協奏曲を

演奏し高い評価を受け、ヨーロッパの主要都市でも精力的に演奏活動を行うようになる。

40年に亘る演奏活動で、ヨーロッパ、北米、南米、アジアでツアーを行い、ロッテルダム・

フィルハーモニー管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団、イスラエル・

フィルハーモニー管弦楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団など主要なオーケストラとも共演している。

作曲家ドヴォルザークの曾孫であり、ヴァイオリニストのヨゼフ・スークは、ワレフスカが演奏するドヴォルザークのチェロ協奏曲を聴いて、「今まで聴いた中で最高の演奏」と評し、プラハの春音楽祭に彼女を招いたという。

 

 ハイフェッツやグリュミオーといった著名な音楽家からも高く賞賛されており、クラウディオ・アラウは「世界最高のチェリスト」と評し、またアルトゥール・ルビンシュタインは「今までに聴いた中で、最も五感に響く音色を奏で、唯一私をはっとさせたチェリスト」と述べている。そして、アラム・ハチャトリアン、ファーディ・グローフェ、ホセ・ブラガートなどの多くの作曲家から作品を献呈されている。また、音楽以外でもマルチな才能を発揮し史上最強のチェリストといわれたエンニョ・ボロニーニの作品は、作曲家の遺言により彼女だけが演奏することを許されている。

 

 21歳の時に、エリアフ・インバルの指揮でシューマンの協奏曲、ブロッホの「シェロモ」とブルッフの「コル・ニドライ」をフィリップスレーベルからリリース。

その後は同レーベルの専属アーティストとなり、ドヴォルザーク、サン=サーンス(第二番の協奏曲は世界初録音)、プロコフィエフ、ハチャトゥリヤン、ヴィヴァルディ、ハイドンといった主要な協奏曲の録音を次々と行った。特に、ドヴォルザークの録音への評価は高く、イタリア・ピサ大学のFabio Uccelli教授は、「Anton Dvorak's Farewell (Edizioni TECNICONSULT, 1997年, フィレンツェ)」という著書の中で、ワレフスカとロストロポーヴィチの作品解釈を対比した詳細な研究の結果、ワレフスカの深い分析力を高く評価している。

“ドヴォルザークのチェロ協奏曲の最も素晴らしい解釈者”クリスティーナ・ワレフスカに捧げられたこの本がきっかけとなり、ドヴォルザーク没後100年にあたる2004年には、フィレンツェ五月音楽祭での3回のコンサートを含め、ブラジル、アルゼンチン、米国、中国、香港等でドヴォルザークの協奏曲を演奏するオファーが舞い込んだ。

 

初来日は1974年、その後36年のブランクを経て2010年、そして2013年に日本ツアーを行っている。

Walevska-02 2019 tour.jpg

 ©WANG TE-FAN

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